相続税は、親や親族から不動産などの財産を相続した際に発生する税金です。

不動産の相続は金額が大きくなりがちで、計算や手続きが複雑です。

しかし、基礎知識を持つだけで、不安が解消されることも多いです。

この記事では、初心者にもわかりやすく、不動産の相続税の基本から、知っておくべきポイントまでを解説します。

相続税は、相続する財産の合計額が一定の基礎控除額を超えた場合に課税されます。

基礎控除額は以下の計算式で求められます。

基礎控除額の計算式

3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)

例えば、法定相続人が3人の場合の基礎控除額は、
3,000万円 +(600万円 × 3人)= 4,800万円
となり、財産が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。

不動産は現金や預貯金とは異なり、評価額を計算する必要があります。

不動産の評価額は主に以下の方法で求められます。

土地の評価額

  • 路線価方式:国税庁が公表する「路線価」を基準に計算します。
  • 路線価 × 土地面積
  • 倍率方式:固定資産税評価額に倍率をかけて算出します。
  • 固定資産税評価額 × 倍率

建物の評価額

建物は、固定資産税評価額がそのまま採用されます。

  • 注意点
  • 市場価格(実際の取引価格)は評価額に含まれません。
  • 一般的に、路線価は市場価格の約7割程度とされています。

以下の3つのステップで簡単に相続税が発生するか確認できます。

相続財産をリストアップする

現金、不動産、有価証券など、すべての財産をリストにまとめます。

財産の評価額を計算する

不動産は評価額で計算し、預貯金などはそのままの金額を足します。

基礎控除額と比較する

計算した財産の合計額が基礎控除額を超えている場合、相続税が発生します。

相続税の申告が必要な場合、以下の手順を踏む必要があります。

相続開始

被相続人(亡くなった方)が亡くなった日が相続開始日となります。

財産の調査と評価

すべての財産と負債を調査し、評価額を確定します。

遺産分割協議

相続人全員で話し合い、財産の分割方法を決定します。

相続税の申告と支払い

相続開始から10か月以内に、税務署へ申告と納税を行います。

現金一括払いが基本ですが、延納(分割払い)や物納(不動産で支払い)も認められる場合があります。

不動産の相続では、いくつかの節税方法を活用できます。特に以下の3点を押さえておきましょう。

小規模宅地等の特例

被相続人が居住していた土地や、事業用の土地を相続する場合、一定条件を満たせば、土地の評価額が最大80%減額されます。

不動産の有効活用

例えば、賃貸物件として活用している不動産は、評価額が低くなります。
(例:更地よりも賃貸物件が建っている土地のほうが評価額が低い)

生前対策

相続開始前に、不動産を売却したり、生前贈与を活用することで、課税対象額を減らせる場合があります。

相続税は、財産や家族構成によって状況が異なります。

特に不動産の評価や節税は複雑なケースが多いため、税理士や不動産会社などの専門家に相談することをおすすめします。

専門家に相談するメリット

  • 節税対策の提案
  • 財産評価の適正化
  • トラブル回避(相続人間の争いなど)

不動産の相続税は一見複雑ですが、基礎を理解することでスムーズに対応できます。

まずは、自身の状況を整理し、適切な評価や節税対策を行いましょう。

そして、迷ったときは専門家に相談し、安心して相続手続きを進めてください。

読んでいただきありがとうございました!次回は「小規模宅地等の特例」についてさらに詳しく解説する予定です。

お楽しみに!